最新のアメリカの生命保険「IUL」を徹底解説!

前回の掛け捨て生命保険終身保険に引き続き、
今回は新しい形の「IUL」生命保険インデックス連動型ユニバーサル生命保険について解説します。

英語では「Indexed Universal Life」という名前の生命保険で、「IUL」と呼ばれています。
このIULは日本では販売していない種類の生命保険で、終身保険からさらに進化した最新の生命保険なのです。

今回はこの生命保険業界のインスタントポットとも呼ばれる、
インデックス連動型ユニバーサル生命保険について徹底解説します!

この記事でわかること

  • インデックス連動型ユニバーサル生命保険(IUL)の特徴
  • IULのおすすめポイント
  • IULの気を付けなければならない点
  • IULをおすすめする世代

インデックス連動型ユニバーサル生命保険(IUL)の特徴

インデックス連動型ユニバーサル生命保険(IUL)の特徴は以下の通りです。

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  • キャッシュバリューのある生命保険
  • キャッシュバリュー部分はインデックスに連動して増資され、かつ元本保証。
  • 支払保険料/死亡保障金などいつでも変更可能
  • 生きている間にIULから超低金利で借り入れ可能
  • (アメリカ在住者のみ)死亡保障金の受け取りは非課税
  • 介護特約を付けられる

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①キャッシュバリューのある生命保険

IULはキャッシュバリューのある生命保険です。キャッシュバリューとは現金価値という意味です。
つまり、IULは保険料を支払うことで生命保険カバーと貯蓄を両方得られることができます。
しかも、このキャッシュバリューの伸びは終身保険よりも高いレートが期待できるのです。

②キャッシュバリュー分はインデックスに連動して増資され、かつ元本保証

キャッシュバリュー分はあらかじめ自身で指定したS&PやGlobal Indexなど主要インデックスと連動して増資されます。
インデックスがプラスになった場合、CAPと呼ばれる上限までは連動してキャッシュバリューが伸びます。
インデックスがマイナスになった場合、必ず0%以上で踏みとどまってくれます。
つまり、投資をしている一方でキャッシュバリュー分は元本保証されているのです。
ちなみに、過去20年のIULのキャッシュバリューの利回りは年平均7%ととても高いレートを記録しています。
インデックス連動型の詳しい仕組みについてはこちらの記事もご参照ください。

③支払保険料/死亡保障金などいつでも変更可能

保険料の支払いタイミングや支払金額はいつでも変更可能です。
最初の5年間で支払えるだけ支払って、あとはほったらかしという支払方法や、
月々100ドル支払いを65歳まで続ける等希望に沿った支払方法を自由に選べます。
なお、支払金額を増やす際には年間支払額に上限があります。
また、支払金額を急激に減らしすぎると、保険を維持できなくなり強制解約になるリスクがあるので、
支払金額を減らす場合は購入したブローカーと相談しながら行ってください。
死亡保障金もいつでも変更可能です。なお、死亡保障金を増やす場合は再度健康診査が入ります。

④生きている間に契約しているIULから超低金利で借り入れ可能

IULを購入した後、自身が契約しているIULから超低金利で借り入れ可能です。
しかも、これは借り入れという形なので非課税となります。
この借り入れをしたお金を使って、お子様の大学費用や急な大きな出費にあてがうことも可能です。
また、じっくり寝かせてキャッシュバリューを貯めてから、年金のように毎月お金を受け取ることも可能です。
ただし、これは順調にキャッシュバリューが伸びてきた15年後くらいに行うことをおすすめします。
キャッシュバリューが十分貯まる前に借り入れをしてしまうと、残ったキャッシュバリューで保険が維持できなくなり、
強制解約となってしまうリスクがあるからです。
そして、生命保険が解約されたら、非課税枠は取り消され、従来通りの支払った保険料を超えた分は課税となるので注意してください。

⑤(アメリカ在住者のみ)死亡保障金の受け取りは非課税

IULで受け取る死亡保障金の受け取りは全額非課税です。
投資に回ったキャッシュバリューが増えに増えて、当初の死亡保障金を超えたとしても、その分死亡保障金も自動で増えていくので、非課税でもらえるお金がぐんぐん伸びているということになっています。
このIULの非課税枠を活用してお金持ちは税金対策としてIULを購入しているケースが多いのです。

⑥介護特約を付けられる

IULの特約は他生命保険と比べても種類が豊富です。
私が特におすすめしたいのは介護特約です。
特にカリフォルニア州在住の方は介護特約を付け必ず付けることをおすすめします。
理由は2025年以降に始めると言われている介護税にあります。
カリフォルニア州ではソーシャルセキュリティ税のように給与から介護税を天引きしようと州議会で議論がされている最中です。この今後導入される予定の介護税を払わないようにするために、今から民間の介護保険に加入することを強くおすすめします。
なお、IULに付けられた介護特約も介護保険として扱われる予定となっています。
(先に導入したワシントン州では事前に民間の介護保険に加入している人はこの介護税対象から外れるという特例が盛り込まれました。この法令が決定されてから多くの人が民間の介護保険への加入希望が殺到し、保険会社は新規受付を停止したという過去があります。ワシントン州の介護税は、州外に引っ越したら受け取れない、受け取りまでに10年以上支払っていなければならないなど制限も多く、多くの人から不評を買っています。介護税の話は今後詳しく記事にしようと思いますが、つまりは、どういう内容になるかわからない州の介護サービスのための介護税を払わないために事前に自分で利用範囲を決められ、使わなかった分は戻ってくる仕組みのある民間の介護保険に入っておくことが重要だということです。)

このように、IULはマルチな機能を備えた保険界のインスタントポットなのです!(←呼び名は私が考案しました笑)

IULのおすすめポイント

IULのおすすめポイントは、まずそのフレキシブル性です。

少ない保険料から初めて生命保険に加入しておくことで安心を得られます。一方でお金に余裕が出てきたら多めに保険料を支払うことで、キャッシュバリュー分が増資され、インデックスと連動してお金の伸びも高くなります。

過去20年の実績と同様の7%で増資がされていけば、高い利回りを期待できます。
また、元本保証なので、マーケットダウン時にも安心です。

後は何と言っても非課税枠です。
アメリカ在住の方は死亡保障金受け取りの非課税枠を享受できる一方、IULから借り入れをしても非課税です。
税金を気にせず自由に使えるお金があるとうれしいですよね。

IULの気を付けなければならない点

IULにおける最大の留意すべき点は保険維持コストです。
掛け捨て生命保険と比較して、生命保険の維持コストは高めになっています。
または、最初の数年で最大の保険料を支払ってあとはほったらかしにする場合、マーケットがダウンサイドで続いた場合、生命保険維持コストをまかえなくなり、強制解約のリスクはゼロではありません。
ただし、それはあくまでも毎年毎年マーケットがダウンする前提の話なので、現実的ではありませんのでそこまで気にする必要はありません。
IULには保険維持コストがある一方で、非課税で受け取れる借り入れや死亡保障金という魅力的な税制優遇もあります。
どの要素を重視するのか、ご自身での検討が必要です。

IULに限らず保険商品は中長期的な投資として認識していただくことが重要です。
このIULも他生命保険と同様に、早期に解約すると解約手数料が発生するので、
IULに加入時は無理のない支払金額を設定する必要があります。
幸い、IULは支払金額をフレキシブルに設定できるので、
当初は支払金額を月100ドル、余裕が出てきたら月300ドルのようにご自身にとってよいタイミングで調整可能です。

IUL購入をおすすめする方

私がIUL購入をおすすめする方、それは0歳から50歳のみなさんです。

理由としては、10年から15年は寝かせてからでないとIULの良さは出ないからです。


IULの魅力は、元本保証されつつインデックスと連動してキャッシュバリューが増える点にあります。
増えたキャッシュバリューを借り入れすることで増資部分も非課税で自由に使えることができます。
ただし、キャッシュバリューの十分な伸びや解約手数料を考慮すると、引き出しできるようになるには10年から15年寝かせておくことが必要です。
(お持ちのキャッシュバリュー残高により早めに引き出しも可能ですが、引き出す前に保険を購入したInsurance Producerに相談しながら決めるとよいと思います。)


つまり、大学進学費用や老後年金としてIULのキャッシュバリューを引き出すには10年~15年待ってからが良いということになります。
例えば、15年後にお子様の大学資金が必要になる場合、今からIULに入ることをおすすめしますし、65歳から年金を引き出したいと考える方は遅くとも50歳までにIULを始めることをおすすめします。

小さなお子様がいるご家庭にもIULはおすすめです。
低年齢から始めることで、生命保険の維持コストを低く抑えられる一方、投資部分を多めにできます。
さらに投資期間が長いほど複利の力でキャッシュバリューが増加する可能性が高まります。
例えば、過去の実績を踏まえると、最初の3年間で10,000ドル分の支払いを完了すれば、あとはほったらかしで以降生命保険もカバーされてかつキャッシュバリューも20年後には倍、30年後には3倍、35年後には4倍…と加速度的に増える可能性もあるのです。(参考記事:72の法則
若い時に始めれば始めるほど長い時間を寝かせることができるので、その分キャッシュバリューがどんどん増えていくのです。

相続の観点から非課税の税制メリットを最大限享受したいと考えている方は、IULは60代以降にもおすすめします。

文章の説明のみだと借り入れの部分など理解しづらい点も多いかと思います。
IULの具体的な見積もりや具体的なご質問等無料相談ご希望の方はぜひお問い合わせをお待ちしています。
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